2019年の12月末から訪問をすることになった80歳代の患者さんのお話です。
この方には近くにご家族がおられず、独居をされています。耳が遠い為、会話には時間とジェスチャーが必要です。診察の際はドクターからコミュニケーションを取るために代理人を連れて来るようにと言われているそうですが、一緒に来てくれる人がいないので仕方なく“便利屋さん”に高いお金を払って送迎をしてもらったことがあるそうです。
食事や掃除、入浴など“できることはすべて自分でする”という方です。誰にも頼ろうとされないんです。私が「一人ではないよ」、「地域の人たちや医療の人たち、いろんな人たちに甘えていいよ」とお話をすると目に涙を浮かべて頷かれます。でも頑張りやさんなんです。自分で何とかしようとされるのです。
最近では今までの人生でいろいろなことがあったせいなのか、寂しさのせいなのか、服薬に対して積極性がなくなってきました。「もういい」「もういい」とよくおっしゃいます。薬局としては飲みやすいようにいろいろと努力をしているのですがまだまだ力が足りないみたいです。
これからもこの患者さんのためにできることを精一杯していこうと思っています。