調剤薬局で取り扱う薬は一般的の知られている内服の錠剤や粉薬、水剤が外用では湿布や軟膏、点眼薬それに注射等があります。薬局で注射と言えば糖尿病患者さんが使用するインスリン製剤を思い浮かべる方が多いとお思いますが、他に輸液類や医療用麻薬もあります。これらはコロナ禍で面会が制限されるなか自宅での療養を可能にするのに大きく貢献しています。特にがん患者さんの終末期では最期をご自宅で過ごしたい、あるいは家に連れて帰ってあげたいという思いをかなえるため医療用麻薬が緩和のために用いられることがあります。この医療用麻薬には経口、外用のほかポンプを用いて皮下に24時間持続投与する注射薬があります。ポンプによる持続投与は患者が内服できなくなったときや、強い苦痛を迅速に緩和する必要があるときに有効です。内服できないときに簡便な貼付薬を用いることもありますが、呼吸困難の緩和を要する場合や、頻繁に投与量を調整またはレスキューに用いる場合は、貼付薬ではなく注射薬のほうが迅速に対応できると言えます。医療用麻薬の注射薬を調整するには無菌調剤の必要があります。地域連携薬局では無菌製剤処理を実施できる体制をとっています。