この在宅訪問日誌は、在宅担当者委員会のスタッフを中心に在宅で日々気になったことなどを9薬局交代で素直な気持ちで書いています。
★薬剤師も在宅の患者さん宅に訪問し、服薬指導しています。
聴覚障害の患者さんに接して

 今年の1月から週1回金曜日に訪問している〇〇さん。
まだ数回しか訪問をしていないのですが、認知症・聴覚障害をお持ちで一人暮らしということもあり警戒されているのでしょうか?なかなか家に入れてくれようとしません。
名札を見せたり、筆談で説明してもダメで薬の袋を見せるとようやく薬局から来てくれたのだと分かってもらえて、やっと入れてくれます。
 お薬は朝食後だけを一つにまとめて作り、日付と曜日を記載してお薬カレンダーにセットします。会話ができないので意思疎通はもっぱらホワイトボードです。私の字が達筆すぎて内容を理解してもらうのに時間がかかり苦労していますが何とかジェスチャーなどを交えて分かってもらえるように努力しています。
 手話でも習ったほうが良いかな…
でもまずは私のことを覚えてもらえるように努力することかな…
これから少しずつでもお互いの距離が縮まっていければ良いのですが。まだまだ不慣れですがお役に立てるように努力していきますので今後ともよろしくお願いいたします。

 そんな〇〇さんですが最近入院してしまいました。早く良くなって帰ってきてくださいね。

また飲んでくれますように。

 サービス付き高齢者住宅にお住まいのTさん。とても気さくな方でお見掛けする度に手を振って挨拶してくれます。柔和な表情で優しい方なのですが、こうと決めたらテコでも動かない一面もお持ちで、更に認知もあり、こちら側が困ってしてしまう事も間々ありました。
最近ではご自身の判断で便秘薬以外の服薬を拒否してしまい、大事な骨のお薬などを服用出来ていない状況が今も続いています。何とか飲んでもらおうとヘルパーさんやケアマネさん、訪問看護師さんも手を尽くしてくれたのですが…
 何故飲まないのか理由をお聞きすると、「むくみがあるから」「昔むくみが出た時に今とは別の先生が薬を止めてみたらと言って、その通りしたらむくみが治ったから。」本人は飲みたくなったら飲むとおっしゃっています。
実際に足を見るとむくんでいるようには見えませんでしたが、本人さんがそう思っていらっしゃることを尊重し、改めて薬の説明をして、服用の大切さをお話しして引き上げました。これらのことを他職種の方々に報告し、また飲んで貰える様に情報共有をしました。
 Tさんの訪問診療の主治医も協力してくれたのですが、Tさんはその時「薬を毎日服用しています」と普段ご自身が服薬拒否をされている事を忘れて主治医に言われたそうです。「飲んでいます」と言われて「服用してください」と返すのは難しく、主治医も困惑されたと思います。その後Tさんは「飲んでいます」と言った事を忘れて服薬を拒否されました。むくみの症状もほとんどなく、また薬との関連性も無いと主治医に言われたこともお忘れでした。
もう飲んでは頂けないのかなと頭を悩ませながらも、それでもやっぱり諦め切れずに幾度目かの服薬指導でもう一度Tさんの話を聞き、親身になって服薬指導をしました。
 するとTさん、「骨の薬は大事よね、そうよね」「じゃあ、飲まないとダメやね」とこちらの話に耳を傾けてくれるようになり、最後には「飲むわ」と言って下さいました。これ幸いと急いでTさんのお薬を持ってきて飲んで頂きました。
凄く嬉しかったです。気持ちが伝わったんだと喜びました。
 が、しかし、Tさんはその日の夕食後の服薬を再び拒否されたそうです。
こちらと話した内容を忘れてしまわれたようでした。…個人的にショックでした。
 結局Tさんは現在も服薬を断っています。けれどお話をして納得されたら一度は飲んでくれた事も事実です。たとえ明確に覚えていなくても、もしかしたら言い続ける事でTさんの意志が変わるかも知れません。またTさん自身がふとお薬を飲むことの大切さを思い出してくれるかもしれません。
そんな希望を胸にこれからもお薬をまた飲んで頂ける様に服薬指導と薬剤管理を続けていきたいと思います。

1日分足りない

 月に1回、金曜日に訪問させてもらっているTさん。店舗移動により前任の方から引き継ぎ、もう2年になろうとしています。
 夕方に電話をしてから自転車で訪問しています。「こんにちは、ヒマワリ薬局です」と声をかけるとドアを開けてもらえるか、中から「入っていいよー」と声がかかります。では失礼と上がらせてもらうと「いつもありがとうね」「寒くなかった?」と気遣ってもらえるのが嬉しい。ほとんどの場合は旦那さんもいっしょに居間にいて、お薬の説明をお二人にさせてもらいます。お薬は一包化して日付を入れているので、カレンダーに残されている分を見ればちゃんと飲めていることが分かります。
 しかし秋の曇り空のある日、お薬を渡して薬局に戻り報告書を書きながら嫌な予感が。来月の訪問日はいつだったかな? クリニックに連絡して確認すると、次の訪問はどうやら11/11の夕方になりそう。今日渡した薬は11/10の朝までだったなぁ。……おや、1日分足りないな。
 うわぁ! と心の中で悲鳴をあげながら残薬と処方日数から計算すると1日分足りないことをクリニックに説明して1日分薬を増やしてもらい、すぐにTさんに連絡。「今から持って行っても大丈夫ですか?」と確認すると、「こちらは大丈夫だけど、あなたは大丈夫?」と気遣ってくれました。優しい!
 再度自転車をこいで訪問。確認が足りなかったことを謝り、お薬を渡して薬局に戻りました。
 患者さんにもお出かけや病院などの予定があります。早めに気づいて本当に良かった…。今後もしっかり気を付けなければならないなと改めて思いました。

お薬がきちんと飲めるようになりました

 もうすぐ80歳になる○○さんは、親を看取って今ではひとりで暮らしています。糖尿病を30歳代に発症し、その後の長い療養生活で、インスリンを二度うちながらコントロールしてきました。家族性で梗塞を起こした姉の看病もしており、病気のコントロールの大切さをよく口にされます。物忘れが多くなり、部屋は散乱し、生活も乱れてきたとのことで、介護認定を受けられました。
 ケアに入ったケアマネさんが、ゴミの中に寝ているようなちらかった部屋、お薬類もあちこちにあり困って相談にこられました。
 最初に訪問した時には、スーパーのビニール袋や、食べものや食べたあとのものなどがいろいろ散乱していました。
 本人にはプライドもあり、散らかった部屋に人を入れるのを嫌がっていましたが、お薬をきっちりしようという声には耳を傾けてもらえ、部屋に入ることができました。アルコール綿が10箱以上、自己血糖測定用のチップや針も5〜6箱有り、それがあちこちに置いてありました。お薬もあちこちから出てきました。ケアマネさんと一緒に片付け、お薬関係は一箇所にまとめておくようにし、カレンダーを利用してお薬を飲んでもらうようにし、それから毎週訪問することにしました。
 日付を記入してカレンダーへセットすると、内服薬はきちんと飲めるようになりました。血糖と血圧はどれくらいか、訪問の度に確認するようにしました。一時測定していない時もあったが、毎朝測定し記入するようになりました。台所もスーパーのビニール袋が散乱しており、インスリンは冷蔵庫の中と言うが開けさせてくれません。インスリンがどれくらい残っているか?確認させてと言うと持ってきてくれて見せてくれるようになりました。長い闘病生活で、運動や食事についての大切さや身近な親類の闘病生活より、毎日散歩していると報告はしてくれますが、食事はどうも買い食いの様です。
 数ヶ月すると、お薬の事も電話してくるようになりました。インスリンがでないとか、ペンがおかしいとか、勘違いで便秘薬がセットしてないとか、その都度対応していると、信頼関係もできてきました。訪問の度に来てくれるのでお薬がきちんと飲めて助かっている、お薬の事も電話で言えば対応してくれるので安心と、何度も感謝の言葉を言ってくださるようになりました。部屋にも残薬の確認をしたいと言うと「片付いてないと思うけど、しんどくて・・・」と言い訳をしながらも入れてくださるようになりました。
 一ヶ月に一度の受診の前には、主治医に残薬の報告をし、余分なお薬の内容に努めています。診療科での困っていることもお聞きすることができました。
 ちらかった部屋が片付いて、食事もちゃんとできて、自分でできなければ援助を求められるようになり、そして、診療科や介護関係のスタッフともしっかり連携を取って援助していけば、もっと安心して暮らしていけるのではないかと、その援助が少しでもできればと思いながら訪問を続けています。

うらやましい生活

 照れ屋で素直なSさん
最初、訪問したときは血圧200前後あり、血糖値も260以上ありました。
コンプライアンスも悪く残薬多かったですが一包化になり少し残薬も減りました。それでもまだ飲み忘れあるので日付を入れてお薬カレンダーにセットすることになりました。カレンダーになってからは飲み残しもほぼなくなりました。
訪問時、血圧を測ると140くらいまで下がっているのをみて「大分さがったなあ」とうれしそうでした。
「菓子パンばかり食べたらあかんよ」というと「分かった食べへん」と素直にきいてくれて血糖値も下がり薬もへりました。
また、ケアマネさんとの会議で褒められると手を頭にして照れくさそう・・
「夜は2時くらいまでテレビみている。さっきおきたところやわ〜」と。
寝たい時に眠り、起きたいときにおきる。なんとうらやましい生活!
お薬はきっちりのんで食事にも気をつけてくださいね。

認知症患者さんに寄り添って

 金曜日に訪問予定のSさんは、前任者から担当を引き継いでもうすぐ半年が経ちます。
初めの頃は、確認のお電話をすると「今日はしんどいから明日来て」とお断りされ、翌日土曜日にも「今日もしんどいから来週にして」とお断りされることが度々ありました。ですので、ご自宅には2週間分多めに予備のお薬を置いて対応していました。
 3か月ぐらい経った頃、お電話しても連絡がつきません。心配になりケアマネさんや訪看さんに連絡を取ると、携帯とお財布をなくされたとのことでした。それからは訪問時間を金曜日の10時と決めました。というのも訪看さんが来られた直後を狙って、この時間ならお断りされないだろうと考えて訪問するようにしました。携帯をなくされて連絡が取れなくなったことが功を奏して、しばらくは順調でした。ところがある日、処方日にFAXが届かず、往診部に確認をすると「不在のため往診できなかった」とのことでした。往診の先生も状況は同じなのですね。
 Sさんは認知症ですが、暑い日は冷たいお茶を出してくれて、こちらを気遣ってくれる優しさもあります。独居なので人が来ないからと、夏でもこたつ布団を出しっぱなし。身なりもおかまいなしです。ですが、実習生と一緒に訪問した時は「こんな白髪で恥ずかしいわ。染めなあかんわ。」と仰っていました。
お話し相手になるように、季節の話題や家族のこと、昔の思い出など、できるだけ沢山の会話をするように心がけています。日常会話の中から変化に気付き、患者さんの状態が把握できればと思います。

在宅訪問で感じること

 先週訪問した時は、あんなに楽しくお話して帰ったのに・・・
突然亡くなられたとの連絡が入る。
なんか親しくなればなるほど「なぜ?」と自分の無力さを感じる。仕事だと割り切れない。
やっぱり訪問した時に「来てくれんと困る」と言われると嬉しいから。
 7月から訪問に行かせてもらっているご夫婦です。
87歳のお父さんは、ほとんどベッドで寝たきり、81歳のお母さんは、足が痛くて歩くのが不自由です。二人だけの生活では無理だと言うことで、週3回訪看さんが入り、ヘルパーさんも入るようになりました。お家の中もヘルパーさんが入ることによって徐々にきれいになり、いろんな人と話すことで元気になられているように感じます。
 お薬もお薬カレンダーにセットしているだけでは、きちんと飲めているのか?わかりにくいと言うことで、分包紙に日付を入れて、お薬カレンダーにセットするようにしました。
 今日はヘルパーさんに手伝ってもらって作ったというトマト料理の味見をさせてもらい、息子さんが育てたキュウリと茄子を持って帰りなさいと渡されました。
子供さんがいても、老夫婦2人だけで生活されている方が多く、訪看・ヘルパー・薬剤師の連携が、これからはとても重要になっていくとつくづく思います。

訪問時嬉しかったこと

 今年1月から訪問開始になった患者さん ご夫婦二人暮らしご主人が奥さん(89才)の介護や買い物等、日常の生活を一手に引き受けておられます。患者さんは寝たきりではなくて歩行器を使って部屋の中を自由に移動されていますが、訪問時はご主人が対応して下さりご本人は玄関には出てこられません。
 訪問し始めた頃は段取りがわからないようで、薬が全然ないからすぐにほしいと連絡があり、翌日午前中に急いで訪問したり、訪問の時間がまちまちだと困る、買い物にも行けない、本当は朝に配達してほしいといわれたり訪問は2週間に1回なのにその時くらい買い物に出なくても、とは心の中で思いながら、訪問は3時と決め、遅くなりそうな時は連絡することで了解していただきました。
内服薬はお通じの薬のみ、あとはお風呂上りに塗る保湿の軟膏だけです。
5月に訪問してから2ヶ月ほど期間が空いたので入院でもされてたのかなと思いましたが、薬が残っていたからとのことで安堵しました。
 前回の訪問では玄関に他の医院でもらった塗り薬をいろいろ準備されていて「何の薬か?」「どういったときに使うか?」と尋ねられ 期限切れの薬は捨てていただき、薬の名前と薬効を薬袋に書き、顔には使わないように等説明させていただきました。
最初の頃は「薬の配達人」扱いでしたが、玄関が暑いだろうと扇風機を回してくださったり、何より、今度来たら塗り薬のことを尋ねようと思っておられたことが嬉しくて、暑さも吹き飛びました。

薬剤師訪問をはじめて1年

 薬剤師訪問をはじめて約1年経ちました。
前担当者からの引継ぎなど始めは慣れなくて、往診部、訪看、ケアマネジャーなど他職種と連絡をとるのも大変でした。
最近は患者さんにも相談されたり信頼されてきたのかなあとうれしいときもあります。
ガン末期で緩和ケア中の患者さんや腸ろうで栄養剤を取りつつ経口摂取をがんばっている患者さんの「旅行に行ってきたので写真みてください」「いつもよりごはん食べれるようになってます」など日頃の様子をうかがうことができると薬剤師訪問をしていてよかったなと思います。
 これから暑くなる季節ですが、がんばってる患者さんのことを考えると夏バテで休むとかないようにしなければと思います。

目が見えにくい患者さん

 Sさんは独居の方で、緑内障の進行により目が見えにくくなり、服薬が上手くできずに薬剤師の訪問を依頼された患者さんです。初めて訪問したときに、最近娘さんが購入されたというお薬カレンダーがあり、まずはそこにセットして服薬管理を開始しました。
 しかし、目が見えにくいためお薬カレンダーから薬を落としてしまうと探せずに飲めないことが分かりました。そこで、Sさんにお話を伺うと、今までは薬袋から自分で取って飲んでいたそうなので従来の方法に近づけて管理することにしました。朝夕で缶を分けて、見分けがつくように大きく「あさ」「ゆう」と缶に書き、必要分のみをセットすることできちんと飲めるようになりました。今では3週間分をセットしてもきちんと飲んでくれています。
 薬をきちんと飲むには「お薬カレンダー」という思い込みを反省させられた出来事です。

他職種と連携して本人のための薬物療法を

 ○さんは、訪問看護の看護師さんより、薬の管理ができにくく、困っていると依頼があり、昨年の末より訪問を開始しました。
 おひとり暮らしの75歳男性で、ベッドから自分で車いすに移乗し、室内は車いす移動、外出はかなり段差のある玄関で電動車いすに自力で移乗し外出されています。洗濯や料理などもご自分でもやっておられ、バルンを装着しているが、尿の廃棄も自分でしているし、受け答えもしっかりした感じでした。ご不自由な身で自分なりにいろいろと工夫されて一人暮らしをやっておられるなあ、ずいぶんと頑張っているなあ、と感心しました。薬のことも知っておられるし、指示も入っているように思ったのですが・・・
 ところがところが、実際は、オピオイド系の鎮痛剤や、睡眠薬を痛いから、眠れないから、と必要以上に飲まれています。何度も依存や抑制などの副作用を説明するのですが、その時は、「わかっている。指示をまもる」と言われるのですが、結局飲みすぎては、薬がないとの連絡の繰り返しや受診を繰り返しています。時には、でろでろになって転倒し、ご近所が発見されて、救急搬送したり、入退院を繰り返しています。一度は改心して、睡眠薬の2日ごとの手渡しを実施してみたのですが、ひと月過ぎると一週間の手渡しを要求し、さらには医師が言っているから自分で管理すると主張し、よその薬局で睡眠薬をもらい取り込んでしまいました。
 飲みすぎてるよ、と指摘すると、絶対そんなことはない、あんたが持ってきてくれてない、と開き直ったり、状況が不利になると、看護師さんは困る、ヘルパーさんが悪い、と他人のせいにする始末。かかわるスタッフに順繰りに悪口を繰り返し、何とか自分の思うように・・・と行動されるので、ついこの口のうまさに乗せられてしまいます。依存とは、かくもはかなく信頼を裏切っていくのやな・・・と悲しくなったり、投げやりになったり・・・でも何とかでないだろうか、とケアマネさんを中心に訪問看護、ヘルパーさん、関わっている人たちとの担当者会議を開催したり、情報交換を密にして対応中です。
 病院も、2ケ所の専門内科、整形、脳神経科と受診されており、医療との連携もまだまだ中途です。この間はようやく整形の医師と話すことができ、鎮痛剤の使い方をスタッフで確認することができました。脳神経科の医師とはケアマネさんがお話ししてみることで進んでいます。
 かかわるスタッフで、受診先の医師とももっとコミュニケーションを取って、彼が依存せざるを得ない背景を見つけ出し、適切な薬物療法が実施できるように、そのためにはもっとスタッフ同士のコミュニケーションをとって知恵を出し合っていきたい、と思っています。

最近薬剤師訪問を始めたKさんの話

 最近薬剤師訪問を始めたKさんの話です。薬剤師訪問開始時、よくあることなのですが、その人の人生を長々と話していただくことがあります。Kさんも、糖尿病を発症した時の事、その後の経過、今透析をうけるぎりぎり前などたくさん話していただきました。Kさんは、病歴が長いのにもかかわらず、一度治療を中断したり、糖尿病教育をほとんど受けていなかったりして糖尿病を悪化させていました。私も持っている知識を総動員して、Kさんに糖尿病に関することを説明しました。
 そのなかで、Kさんはブドウ糖がほしいと。薬剤を見ると低血糖時にブドウ糖で対応しないといけないα-グルコシダーゼ阻害薬は服用していないので、低血糖時は普通の砂糖で対応できることを伝えました。Kさんは納得して、スティックシュガーを買おうかなと話されていました。
 Kさんがデイケアに行くようになり、デイケアのヘルパーさんより、低血糖症状がでることがあるのでブドウ糖がほしいと電話がありました。デイケアのヘルパーさんにも普通の砂糖で対応できることを伝えました。
 その後、Kさんよりやっぱりブドウ糖がほしいと電話がありました。電話口で私が低血糖時の対応の説明をしようとするとそれを遮って、Kさんが「スティックシュガーを買おうと思ったけど、私足悪いやろ。4階まで自分で登ってくるのがあかんねん。エレベーターないし。ヘルパーさんにいうて買ってきてもらったら、カロリーのないやつやねん。そんなん低血糖の時あかんやろ。それで持ち運びできるやつやったらブドウ糖しかないねん。ごめんな、無理いうて。」私はすぐにブドウ糖を用意し、持っていきました。理論だけで頭でっかちな自分に反省しました。

サービス付き高齢者住宅にお住いのHさん

 薬剤師訪問が始まった当初は、ご本人がご自分で管理されていました。4つに区切った箱を部屋に置いて(朝・昼・夕・寝る前)食事のときに1つ食堂に持っていき服用していたのです。しばらくはコンプライアンス良好だったのですが、ある日息子さんから次回往診日まで薬が全然足りないと連絡がありました。確認してみると、確かに日数が足りず、ご本人はなぜ少ないのかよく分からないとのこと。詳しく調べてみるとご本人が食堂に持っていく小さいかばんの中に薬が何包か入ったままだったのです。おそらく食堂に持って行ったものの、服用しなかったか、日付違いのものを選んでしまったことに気づきそのままかばんに戻したのだろうと思われました。
 箱での管理だと日付が見えにくく、間違えた場合でも気づきにくいのが原因だと判断し、本人の了承を得てその日からお薬カレンダーでの管理が始まりました。カレンダー管理が始まり2か月ほど経ちましたが、服用間違いもなく、ご本人も管理しやすくなったと喜んでいます。コンプライアンスがよくなるように服用方法を変えていくのも薬剤師の重要な仕事の一つだと思いました。

お元気で・・・・・

 昨年、在宅訪問日誌で紹介させていただいたTさん。
先月もいつも通り、残薬のチェックや体調変化等を確認して薬の説明をし、ディサービスで起こった事や楽しかったことをお話しされて、また来月〇日に訪問しますねと伝えました。
帰り間際に、実は3月に娘家族が引っ越しすることになって引っ越しの前後はどこかのショートスティでお世話になる予定。自分も一人暮らしは無理だから一緒に行くことになりましたとお話しされました。
引っ越し先は以前住んでいたこともあり土地勘はあるので不安なことはないとおっしゃってました。
 今日まで3人実務実習生を受け入れました。実習生も同行させていただきますがよろしいですか?と申し入れても、どうぞ、どうぞと快く引き受けてくれました。実習生にも色々声をかけてくださいました。彼らも喜んでくれ、為になったと言ってました。
 今週は訪問、来月が最後の訪問となります。寂しい気持ちですが、どうぞお元気でお過ごし下さい。

サービス付き高齢者住宅で認知症の患者さんと・・・

 お部屋に伺うと、キューピーが真ん中でどうどうと寝て、本人は隅っこで落ちそうな感じで小さくなって寝ていた。声をかけて起こすと、あの子が寝ているので・・・と言われる。子供のいない○子さんは、この人形が子供代りのようで、食事もさせたりしている。
病名は、高血圧と認知症、薬は降圧剤のみで、スタッフが管理して飲ませてくれている。排泄は失敗もあるが自分でトイレでされ、食事も自分で食べることができる。
コミュニケーションが成立することもあるが、どこまでわかっているのか、通じているのかわからない事も多い。嫌な思い出があるのか、中高年の男性には拒絶反応がある。
往診もまずキューピーさんから診察、本人は血圧など測定させてもらえないことも多い。自分の訴えをキューピーで代理しているのかも、との推測も必要である。
 薬剤師の私とは、サービス付高齢者住宅に入る前からの10年ぐらいの長年の付き合い、見覚えがあるのか、親しげに会話してくださるのがうれしい。そして血圧などの測定も嫌がらずさせてもらえる。
訪問時は、いろいろと話すのが楽しみである。今日は結構クリアーで、もうすぐ昼だからキューピーと一緒に後から食堂に行くわ、と言うのが帰りの言葉だった。最近は弱ってきているのか、一緒に買い物に行こう、とか外出を催促することが少なくなった。いつまでもこうして、たわいない話ができるといいなあ、と思っている。

実習生と訪問

 学生実習の期間、実習生をつれて在宅訪問。
一人の患者さんにだいたい月二回の訪問なので実習中に4,5回の訪問します。
Uさん宅に訪問。奥さんと二人暮らしで、いつも元気にお話ししてくれます。
最初は実習生も緊張ぎみですが、実習生にもいろいろな話をして和ませてくれます。
男の子には「遊ばなアカンぞ」など、女の子には「こんな男には気をつけや!」などのアドバイスも・・
実習生も訪問に行くのを楽しみしている様子。
 Uさんも実習生が来るのが楽しみらしく、「今日はまたあの子来てくれるかなあ?」「あのベッピンさん来てくれるかなと今言っていたんや」と言ってくれます。
実習での訪問が最後の日「今日で最後なんです」というとすごく残念そうで・・
実習生が「また次は女の子がきますから」と言うと・・
「そうか、ベッピンさんつれてきてや〜〜」とすごく嬉しそうでした。
また、実習生をつれていきますのでいろいろ話してあげて下さいね。

みんなで人を援助する

 最近は介護疲れで悩んでいる人も少なくありません。
そのような人のほとんどは、どこの援助も受けずに一人で悩んでいる人が多いかと思います。
毎週訪問しているKさんも旦那さんの介護で疲れていた一人でした。
 旦那さんはほぼ寝たきりで耳が遠く、何を話してもほとんど聞いてくれない。また、Kさん自身も認知症の疑いで物忘れが多くストレスのたまる日々を過ごしていました。
訪問開始時、薬の事はもちろん、多職種からの働きかけや連携・協力することでKさんの介護疲れも少しずつ和らいでいき、体調も良くなりました。
それによりKさんの表情も豊かになり、笑顔もあふれ、明るくなっていきました。
 薬剤師だからといって訪問時、薬の事だけにとらわれず、できる限りの援助を多職種の連携を借りて続けていきたいと思います。

心が痛くなった在宅訪問

 月2回訪問している72歳のMさん。インターホンを鳴らして「こんにちはー」と勝手に中に。ご主人と老犬がお出迎え。お薬の説明とお薬カレンダーにお薬をセットして帰ります。その間もずっと老犬がそばに。お二人の心のよりどころになっています。
 その日は、「今日な、先生にこの病気は治らんって言われてん」
「今以上に悪くならんようにするだけって」
「治らんのになんでこんなつらい薬を飲まなあかんの?」
言葉に詰まってしまいました。飲んでもらえるように、このお薬の大切さを説明し、その日は帰りました。
 悩んでいること、困っていることなど、何でも話してもらえるように患者さんに接するように心掛け、少しでも気持ちが楽になればと思っています。
2週間後に訪問した時は、息子さん夫婦のお話をして下さり、反対に私が褒められて元気をもらいました。

ヘルパーさんの連絡帳

 月2回訪問している一人暮らしの患者さん 男性の方です。
週に2回デイサービスを利用、それ以外の日はヘルパーさんが訪問され食事や掃除などの介助をされています。
薬剤師は訪問時にカレンダーに日付を書いた薬をセロテープで貼ってセットしています。体調・食欲など尋ねた事にはこたえてくださいますが、会話はいつもプツンと途絶え話が膨らむことはほとんどありません。なので、ヘルパーさんの連絡帳を見せてもらって日頃の様子を教えていただいてます。
 朝夕の薬を一包化していましたが、連絡帳より夕食後の薬をほとんど飲まれてない事がわかりました 患者様に尋ねると「飲むと調子悪くなるし痒くなるから」といわれます。訪問時には残薬がないので薬を服用されていないことには気づきませんでした。残薬は患者さんがややこしくなるといけないので捨てていたそうです。
薬局長に相談。主治医に伝えていただき、薬は朝夕分2から朝のみの処方となりました。血糖などの大事な薬を飲まれていた為、薬や飲み方が急に変わる事による血糖値や体調の変化等が心配でしたが、その後も特段変わりなく過ごされています。
ふらつきや食欲・睡眠の具合などを本人に尋ねていただけではだめで、連絡帳を見せていただいて初めてわかったことでした。
 訪問時にヘルパーさん方とお会いする事はほとんどないので、あまり話をしてくれない患者さんの場合、連絡帳は本当にとても助かります。

優しいYさん

 Yさんのお宅を訪問するようになったのは平成25年10月31日のことです。週1回(金曜日に)訪問し、一包化したお薬を一週間分カレンダーにセットしていました。それまでは薬局に来られてお薬をお渡していました。その時には結構お話をされていたのですが、在宅になりお宅を訪問するようになってからは急に口数が減ってしまいました。“何でだろう”“どうしたのかな”と思いつつも訪問を繰り返していたのですが、ある時からお宅を後にしようとするとしんどいのにもかかわらず玄関先まで見送りをしてくれるようになりました。“しんどいでしょ。いいよ。”と言っても出てきてくれます。男性一人暮らしなので寂しいのでしょうか?人恋しいのかな?
 夏場の暑いときにもこちらのことを気遣って扇風機を付けてくれる優しいYさん。そんなYさんも急きょ平成27年7月から施設に入所してしまいました。あまりにも突然のことで薬局職員一同驚きとともに寂しい気持ちでいっぱいですが、新しい環境で話し相手を見つけて元気に暮らしていることを祈っています。

驚異的に回復

 じめじめと梅雨の季節は、気持ちまでどんよりと曇ってしまいそうです。
雨の降る中、今日はFさんのお宅へ訪問に行きました。
 70代後半のFさん。
いつもお宅へ行くと、今までたくさん苦労をして来られた経験を、噺家さんの様に流暢な語り口調でお話してもらえます。
 Fさんは、めまいや息苦しさの為、入院されていて、最近退院したばかり。
退院後すぐは立つこともままならない状態でした。が、なんと、今日は「自宅アパートの階段を3階まで自力で登れた」と嬉しそうに話して下さいました。
順調に…いえ、驚異的に回復されています。
たくさんの苦労を、持ち前の気持ちの強さで乗り越えて来られたFさん。
さすがです。
梅雨くらいで、弱音を吐いてしまったこと、反省致します。

他科受診の多い患者さん

 私が在宅訪問に行き始めたのは平成25年の9月です。Tさんはその時から担当させていただいている患者さんです。とても穏やかな男性です。
 2週間に1回の往診と、ヘルパーさん付き添いでの整形外科、皮膚科、泌尿器科受診があります。薬は受診科ごとに1包化してお薬カレンダーにセットしていましたが、受診している科が多いため薬を飲むときに4個も袋を開けて飲んでいました。
 あるとき検査入院し、退院時に病院から服用中のすべての科の薬が1包に入っている薬をもらってきたのをきっかけに当薬局でもすべての薬を1包にまとめることにしました。受診科によって受診日も投与日数も違う薬を1包にまとめるのは毎回大変ですが、Tさんから「1つに全て入っているほうが飲みやすいな」とおっしゃっていただき、服用しやすく工夫する大切さを改めて感じました。
 Tさんはいつも訪問の帰りに玄関の外まで出て、「ありがとう!」と手を振って見送ってくださいます。現在は入院中ですが早く退院して訪問できる日を楽しみにしています。

「ここで暮らし続けたい」を支えたい

 「便秘薬足りないで」「痛み止めもないで」訪問すると、待ってましたとばかり、催促されます。残薬がたくさんあるので、それをお示しすると納得されます。 ○村さんとは、まる4年ほどのお付き合い。当初、訪問看護師さんが服薬管理していましたが、費用の問題があり、月2回薬剤師の訪問にて服薬管理をしてほしいとケアマネさんからの依頼が始まりでした。
 リウマチを長く患っておられるため、手足は変形し右股関節には人工関節が入っています。トラホームの既往による視力障害、慢性中耳炎による難聴もお持ちの方なのでコミュニケーションに配慮が必要です。リウマチのコントロールのため、プレドニン、メトレート、アザルフィジン、セレコックスを飲んでおられますが、時々忘れます。
 苦労の連続の人生を送ってこられ、要求もシビアで、最初は警戒されるし、訪問の時間指定され遅れると叱られたりで、いろいろと戸惑いました。三ヶ月ほどすると悪い奴ではないとわかっていただけたようで、いろいろと打ち解けてお話して下さるようになりました。
 一包包装には切り目を入れ、どこから切ればよいかわかるように、切り目に赤いマジックでしるしを入れ、それをたかさご薬局制作の日めくりカレンダーに一日ずつ貼って、ベッドサイドにつるしておき、ご本人が毎日はがして、飲んでおられました。
 手の変形としびれのため貼っている薬がはがしにくい、というので粘着力が強すぎるセロテープを紙ばんそうこうに変更して喜ばれたり、また、痛みやかゆみなどいろんな症状の訴えもされて、湿布を貼ったり、軟膏を塗ったり、往診へ相談の電話をすることもありました。
 月日が経つにつれて、痛みや骨折、あざなどいろんな症状を訴えられるようになり、痛みやめまい発作などでの転倒、うどんやお湯をこぼしてやけどをしたりすることもありました。時々ベッドから自力で起きることができないほど痛みがあり、トイレにも行けなくなってベッド脇のp−トイレで排泄をすることが多くなりました。進行性の病気のせいか、「もう80歳を越してるんやで、」と言う年齢のせいや、また薬の影響もあるのかもしれません。好きな芝居にいけなくなり、近所でお好み焼き屋にシルバーカーで行って食べたり喋ったりする楽しみも遠のき、簡単な調理もできなくなって、不安だったのでしょうか、医師や薬剤師に攻撃的になったこともありました。薬もベッドサイドでの自己管理からヘルパーさんの手渡しに変更になり、アドヒアランスも向上しました。最近は、幻覚や幻聴も出てきて精神科にも掛かるようになりました。痛みはなかなか軽減せず薬をあれこれと試しています。
 訪問すると待っていたとばかり元気におしゃべりされます。薬の効き目、飲んだ感想を、思い込みも含めていっぱい話してくださるので、しっかり対応が必要です。
 今は痛みと排便をどうコントロールするかがお互いの課題です。できることはだんだんと少なくなってきているが住み慣れたこの家で気持ちよく過ごしてもらいたい、そのためにできることは?を考えながら、また元気な話を聴きに行きたいなあ、と思っています。

耳が遠い患者さん

 耳が遠いHさん。男性で一人暮らし、洗濯や炊事も自分でしていて生活には問題ないのですが、薬がきちんと飲めていないため一包化した薬をお薬カレンダーにセットしてます。
 年の暮れも迫った12月29日風邪をひいたとのことで診療所を受診、お薬が出ました。夕方の診察が終わり、ご自宅に薬をセットしようと赴いたのですが、玄関の鍵がかかっていました。玄関のチャイムを鳴らしても、鉄製のドアをゴンゴンたたいてもでてくれません。耳が遠いので致し方ないかなと、自宅に電話してもとってもらえず、1階に住んでいるので不審者と思われないかドキドキしながらベランダへよじ登り窓をたたいても反応なし。冬で寒いのでカーテンはきっちり閉まっています。夏はこれでいけたのに・・・。最後の頼みの綱ケアマネさんに連絡すると、ケアマネさんは九州の田舎にいるとのこと。仕方なく翌日行くことにしました。
 次の日、薬局は冬休みでしたが、一人であけてHさんのところへ。朝はいつも鍵が開いているので問題なく入室できました。「昨日は、来るのわかってたけど、ついつい忘れて用心の為鍵かけてしもうた」とのこと。抗生剤などがでていた為、肺炎に注意するように伝え、追加分をお薬カレンダーにセットしました。
 年が明けて、訪問した時はもう元気になっておられ、お正月にお孫さんが来た話などされていました。

次の施設で元気過ごされることを願っています

 先日、私が訪問させてもらっている、サービス付き高齢者住宅から一人の利用者さんが別の施設に移られる場面に遭遇し、他のスタッフの方々と一緒に見送りました。
この利用者さんはご夫婦でこの住宅に入居されていましたが、ご主人が亡くなり現在はおひとりで、入居時より認知症があったのですが、伴侶をなくされたストレスからか、さらに病状も進行していき、夜中に自室をでて他の利用者さんの部屋に入られるなど問題行動が目立ち、住宅から同じ建物内の複合型施設にうつられていました。複合型は常時看護師さんのいる施設です。それでも、さびしがり屋のこのおばあちゃんは常に誰かとお話しをしたり、誰かの見守りが必要な状態で今の体の元気なうちにと別の施設への移動となりました。
本人は認知症が進んでいるためよくわかっておらず、迎えにきた家族に誘導され、みんなから「さようなら」をいわれると頭をぺこっとさげて出ていかれました。
 サービス付き高齢者住宅ということで、ここで生涯を終えるつもりで入居されているかたも多いなか、別の施設へ移らざるをえなかったこの利用者さんの見送りは少し寂しく思いましたが、次の施設で元気過ごされることを願っています。

いつもお元気にしておられる方です。

 私が去年5月にヒマワリ薬局に転勤になってから、ずっと担当させていただいている男性Tさん。
引き継ぎで、初めて訪問させていただいた時は風邪をひいておられてしんどそうにしておられました。
月一回訪問させていただいており、翌月訪問した時はすっかりお元気になられてました。
初回から半年過ぎましたが、いつもお元気です。
「今から伺いますよ」と訪問する前に電話。自宅に伺うとベッドに座っていつも待っていてくれます。お待たせしてはいけない、と思いながらいつも訪問してます。糖尿病を患ってから、娘さんの手料理で食事療法をがんばってこられて数値も安定してきています。社会情勢にも詳しく色々お話しされ、教えて頂く事も多々あります。ディサービスでもカラオケ歌ったり、聞いたりしながら楽しんでおられるようです。今週は訪問予定、またお元気なお姿見せてくださいね。

男性の高齢患者さんについて思うことがありました

 やはり女性は、高齢で一人暮らしでも大丈夫ですが男性では珍しい。90歳をこえて大きな家で一人暮らしされているTさん。食事も自分で自炊。日々、畑仕事で健康に歩き回っている。うらやましいのと、健康の秘訣が気になります。薬は毒やから飲まないとのこと。姫路に住む息子さんが心配されて薬飲むように説得されました。初め無口でしたが、趣味の陶芸や畑仕事の話から親しくなりました。90歳で、夏場なので、水分補給だけ気をつけるように指導しました。高齢で元気で薬も必要ないのが一番ですね。
 もう一人、Hさん、はじめ訪問で、お金がかかるともめていましたが残薬を使い、薬代を節約したり、薬の指導を丁寧にすることで、信頼され、奥様もそれをみて自分も指導してほしいと言われ、二人指導することになりました。高齢者夫婦の世帯と、高齢者の独り暮らしの世帯。高齢化社会でますます在宅医療のニーズが増えていると感じる事例でした。

在宅訪問終了。元気になられたSさん。

 Sさんを訪問したのは去年の10月です。口数少なく笑顔もなく人を警戒するような感じで歩くのもしんどいようでした。一人暮らしでどこか寂しそうでした。薬もきっちり飲むことができず、薬剤師によるカレンダーセットで薬を管理することになりました。飲んでいる薬によるふらつき、血圧低下、眠気などがありました。薬の副作用疑いで少しずつ薬をへらしていくことで訪問する度に笑顔が増えて話を色々してくれるようになりました。それとともに薬もしっかり自分で管理して飲めるようになり外出も一人でできるようになりました。余分な薬を減らすことで精神的にとても元気になられ、本来の姿に戻られました。
 今では本人の希望で在宅をやめ外来受診に戻りました。薬も薬局に自分で取りに来てくれています。去年の姿がうそのようです。訪問は終わりましたが外来で元気な姿を見るととても嬉しいです。Sさん!これからも笑顔いっぱいで外来に元気な姿を見せてください。

pagetop